
親が転びやすくなったけど、どんな靴を選べばいいんだろう?

普通の靴ではダメなの?
このようなお悩みはありませんか?
高齢になると足腰の筋力が低下し、合わない靴を履いていると転倒につながることも。実は、普段履いている靴が原因で、つまずきやすくなっているケースも少なくありません。
本記事では、高齢者の靴の特徴や履きやすさ、オーダーメイドなど、高齢者の靴選びに役立つポイントを詳しく紹介します。大切なご家族のために、ぜひ参考にしてください。
高齢者向けの靴とは?一般的な靴との違い

高齢者向けの靴は「介護シューズ」とも呼ばれ、一般的な靴より軽量で履きやすいことが特徴です。高齢者は足の筋力低下やバランス感覚が衰えるため、一般的な靴では負担になり転倒しやすくなります。
また、むくみや外反母趾などの症状別で選ぶことや、オーダーで細かな変更ができることも、高齢者向けの靴の特徴です。
以下の表で、高齢者向けの靴と一般的な靴の違いを整理しました。
項目 | 高齢者向けの靴の特徴 | 一般的な靴の特徴 |
---|---|---|
軽量で履き口が広い | ・軽量(片足200g以下が多い) ・履き口が広い ・マジックテープやファスナー付きで着脱が容易 | ・重量があるものも多い ・履き口が狭いため、着脱に手間がかかる |
サイズ | ・マジックテープなどで調整可能 ・足の変形やむくみに対応 ・左右別サイズで購入可能なものも | ・基本的に左右同じサイズのみで販売される ・むくみなどのサイズ変動に対応できない |
靴底 | ・ノンスリップ加工やゴム製の滑りにくい靴底 | ・素材によっては滑りやすく、転倒のリスクがある |
かかと部分の構造 | ・かかとがしっかり固定されるデザインで、歩行時の安定性を確保 | ・かかとのホールド力が低い靴が多く、不安定になりやすい |
つま先の構造 | ・つま先が少し上がった形で、つまずきを予防 | ・フラットな形状が多く、つまずくリスクがある |
オーダー対応 | ・サイズや補強、開閉方向の変更(片手で着脱できる)など、細かくオーダーできる商品も | ・規格が決まっている場合が多い |
間違った靴が足に与える影響とは?

高齢者が間違った靴を履き続けると、足や身体全体にさまざまな悪影響があります。転倒リスクの増加や足の変形、関節の負担が大きくなると、日常生活の苦痛が増えてしまいます。
以下の表で、間違った靴が引き起こす具体的な影響をまとめました。
影響 | 原因となる靴の特徴 | 具体的な問題 |
---|---|---|
外反母趾や足の変形 | つま先が狭い、硬い素材の靴 | 親指が圧迫されて痛みが悪化し、指の変形が進行する |
転倒リスクの増加 | 靴底が滑りやすい、サイズが合わない | バランスを崩しやすくなり、転倒による骨折やケガのリスクが高まる |
足の疲労や関節への負担 | クッション性のない硬い靴、重すぎる靴 | 歩行時の衝撃が直接足や膝、腰に伝わり疲れやすくなる |
足のむくみの悪化 | サイズが小さく締め付けの強い靴 | 靴の圧迫で血行が悪くなり、むくみがひどくなる |
歩行時の違和感や痛み | サイズが合っていない、靴底が薄い | 歩くたびに足の裏が痛くなり、長時間の歩行が困難になる |
おすすめのサイズの測り方

高齢者向けの靴を選ぶ際は、靴下を履き、必ず左右測りましょう。一般的な靴選びと同じように測ってしまうと、思った以上に合わない場合があります。
以下の表に、足のサイズを測る際の項目と具体的な測定方法をまとめました。
測定項目 | 測定方法 | ポイント・注意点 |
---|---|---|
足長 | 1.床に紙を敷く 2.かかとを紙の端に乗せて立つ 3.つま先の一番長い部分に印をつける 4.紙の端から印の長さを測る | ・立った状態で測ると正確なサイズがわかる |
足幅 | 1.足の一番広い部分にメジャーを当てる 2.軽く足を広げた状態で測る | ・メジャーを締めすぎず、自然な状態で測定する ・靴の「ワイズ(E・EE・3Eなど)」の選択に影響する |
足囲 | 1.親指と小指の付け根を通るようにメジャーを巻く 2.むくみがある場合は考慮して測る | ・幅広の靴が必要かどうかの目安になる ・足囲の大きい方は「ワイドタイプ(4E以上)」が適している |
甲の高さ | 1.足の甲の一番高い部分にメジャーを巻く 2.メジャーを締めすぎない程度の力加減で測る | ・甲高の人はマジックテープなど調整可能な靴がおすすめ |
むくみの有無 | 1.むくみが強い場合は夕方に測る 2.足囲を夕方のむくみ具合まで調整できる靴を選ぶ | ・むくみは夕方がピークになりやすい ・足がむくむ場合は、調整可能な靴を選ぶ |
【外反母趾やむくみ】症状別の靴の選び方

高齢者の足は、筋力低下、外反母趾、むくみ、装具の使用など、個々の状況に合わせた靴選びが欠かせません。
ここでは、それぞれの症状に適した靴の選び方を解説します。
足の筋力低下がある方の靴の選び方
筋力が低下している方には、軽量で安定感のある靴が適しています。片足200g以下の靴を選ぶと、負担を減らしながら快適に歩行できます。
また、かかと部分に芯材が入っている靴であることも、転倒予防のために必要な要素です。かかと部分が柔らかすぎると、歩行時に足がぐらつきやすくなるため、転倒しやすくなります。
クッション性の高いインソールが入った靴は、足の衝撃を吸収し疲れにくいメリットがあります。ただし、ふらつきが強い方や、しびれがある方は足の力を伝えられなくなる場合もあるため、インソールを交換できる靴だと安心です。
外反母趾の靴の選び方
外反母趾の方は、幅広で柔らかい素材の靴が適しています。
つま先部分にゆとりがある「ワイド設計」の靴は、外反母趾の部分を圧迫せず、足の親指を自然な位置で動かせる広めの設計です。また、柔らかい素材のものは、足にフィットしやすく摩擦を軽減できます。
さらに、マジックテープやゴム紐で調整可能な靴を選ぶと、足の状態に合わせてフィット感を調整できます。
むくみやすい方の靴の選び方
むくみがある方は、マジックテープでサイズ調整できる靴がおすすめです。朝はぴったりのサイズでも、夕方にむくみが出ることがあるため、簡単に調整できます。
また、かかとをしっかり支える設計であることも欠かせません。足のむくみは感覚も鈍くなるため、かかとが柔らかいと力が伝わらず、転倒の危険が高まります。
軽度のむくみで、ふらつきが少ない方は伸縮性のある素材の靴もおすすめです。特に、ニット素材やストレッチ加工された生地の靴は、足にフィットしながらも柔軟に広がるため調整の手間が少なくなります。
装具を使用する方の靴の選び方
骨折や麻痺の影響で装具を使用する方は、履き口が大きく開き、左右で別サイズを注文できる靴が適しています。特につま先まで開くタイプの靴は、装具を使用する場合でも脱ぎ履きしやすいためおすすめです。
また、インソールが取り外せる靴を選ぶと、装具を入れてもサイズの調整がしやすくなります。装具を入れると、通常のサイズでは履きにくくになるため、1サイズ大きめの靴を選ぶのも有効です。
装具がつま先まである方は、幅広設計の靴を選ぶと圧迫されにくくなります。特に「5E」や「7E」といったワイドサイズの靴は、足の変形や装具使用者にも対応しやすい設計です。
外出用と室内用の靴の違いと選び方

高齢者向けの靴は、外出用と室内用で選び分けが必要です。転ばない靴として、グリップ力を重視しがちですが、室内ではグリップ力が強すぎると転倒につながることも。
ここでは、それぞれの靴の特徴と選び方について詳しく解説します。
外出用の靴選びのポイント
外出用の靴は、歩行の安定性と安全性を確保しながら、快適に長時間歩けることが求められます。以下のポイントを押さえた靴を選びましょう。
選び方のポイント | 説明 |
---|---|
靴底のグリップ力 | 滑りにくいゴム製ソールやノンスリップソールを選ぶ |
クッション性 | 適度なクッション性があり、歩行時の衝撃を吸収するインソールがある靴 |
軽量性 | 長時間歩いても疲れにくい片足200g前後の軽量な靴 |
履き口のフィット感 | かかとがしっかりホールドされ、安定感のあるデザイン |
着脱のしやすさ | マジックテープやゴム紐タイプで簡単に履けるデザイン |
防水・撥水加工 | 雨の日や濡れた地面でも快適に歩ける防水性のある靴 |
- 外出時は、靴底の滑りにくさやクッション性を重視
- 着脱しやすいデザインを選ぶと、靴を履く際の負担を軽減できる
- デザインも考慮し、どんな服装にも合わせやすい色を選ぶと使いやすい
室内用の靴選びのポイントと注意点
室内では、外出用の靴とは異なり、軽量で履きやすく、滑りにくい靴を選ぶことが重要です。ただし、グリップ力が強すぎる靴は、かえって転倒しやすくなるため状態に合わせた靴選びが欠かせません。
選び方のポイント | 説明 |
---|---|
靴底の滑り止め加工 | ・フローリングでも滑らないノンスリップソールを選ぶ ・すり足歩行の方は、グリップ力が強すぎる靴は避ける |
軽量性 | ・軽くて足に負担がかからない片足150g以下のものが理想 |
通気性 | ・長時間履いても蒸れにくいメッシュ素材や抗菌、防臭加工のある靴 |
フィット感 | ・かかと付きで脱げにくいデザインが安全 |
履きやすさ | ・スリッポンタイプやマジックテープ付きで簡単に履ける |
床との相性 | ・畳やカーペットの場合は柔らかい靴底、フローリングはグリップ力が強すぎない靴底が適している |
- スリッパのように簡単に脱げる靴は、転倒のリスクが高まるため避ける
- 滑りやすい床材では、ノンスリップ加工が施された靴を選ぶと安全
- 履き心地や通気性も考慮し、長時間履いても快適な素材を選ぶ
【既製品が合わない方へ】高齢者向けの靴はオーダーメイドも可能!

高齢者向けの靴は既製品だけでなく、足の状態や個別のニーズに合わせてオーダーできる商品もあります。徳武産業の「あゆみシューズ」では、パーツオーダーサービスがあり、足の悩みに応じたカスタマイズが可能です。
注意点として、公式サイトで注文できますが、合わない場合に返品ができないため、専門的なアドバイスを受けながら選ぶことをおすすめします。
徳武産業の「あゆみシューズ」では、以下のようなパーツオーダーが可能です。
オーダー内容 | 詳細 |
---|---|
靴底の高さ調整 | ・左右の脚長差を補正するため、既製品の靴底に0.5cmから最大5.0cmまでの高さを追加 |
車イス用ゴム底への変更 | ・車椅子での足こぎをサポートするため、底全面にグリップ性のあるゴム仕様に変更 ・歩行する場合はつまずきやすくなるため注意 |
外出用ゴム底への変更 | ・施設用シューズを外出時にも使用できるよう、摩耗しにくい素材のゴム底に変更 |
寒冷地仕様への変更 | ・雪道や凍結路面での使用に適した寒冷地仕様の靴底に変更 |
サイズの特注(大小) | ・既製サイズ(S~5L)以外にも、18.0cmから30.5cmまでの特注サイズが注文可能 |
足囲の調整 | ・標準の3Eから最大17Eまで、足の幅に合わせた足囲の調整 |
ベルトの長さ変更 | ・甲高やむくみに対応するため、ベルトの長さを延長可能 ・延長が3cm以上の場合、甲部の拡大も推奨 |
ベルトの開閉方向変更 | ・利き手や麻痺の状態に合わせて、ベルトの開閉方向を変更 |
折り返しベルトへの変更 | ・足をしっかり固定するため、ベルト先端部にループが付いた折り返しベルトに変更 |
ループ付きベルトへの変更 | ・ベルトが持ちにくい方のために、先端にループを追加 |
つま先周りの補強 | ・歩行時につま先部分が傷みやすい方のために、強度のある生地でつま先周りを補強 |
かかとの補強 | ・かかと部分の生地が傷みやすい方のために、強度のある生地でかかとを補強 |
【失敗しない】高齢者向けの靴選びは福祉用具業者に相談がおすすめ!

高齢者向けの靴を購入する際、最も失敗を少なくする方法は、福祉用具業者に相談することです。福祉用具業者は、介護シューズやリハビリシューズの取り扱いが豊富で、自宅や施設に訪問してフィッティングやサイズ測定を行いながら、適切な靴を提案してくれます。
ここでは、ネット、店頭、福祉用具業者の違いを比較します。
購入方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ネット購入 | ・自宅でじっくり選べる ・メーカーやサイズ展開が多く、左右サイズ違いにも対応可 | ・サイズが合わないリスクがある ・試し履きできる場合もあるが手数料がかかることも ・返品交換が必要になる場合がある |
店頭購入 | ・試し履きができ、フィット感を確かめられる ・その場で購入でき、すぐに使える | ・店舗によって取り扱い商品が限られる ・介護知識がない場合がある ・店舗まで行く必要がある |
福祉用具業者からの購入 | ・専門知識があるスタッフが自宅や施設に来て、サイズ測定や試し履きをしてくれる ・自宅や使用環境をヒアリングしてもらい、適切な提案を受けられる | ・対応エリアが限られる場合がある ・ネットや店頭よりも時間がかかることもある |
- 試し履きを重視するなら、福祉用具業者や店頭購入がおすすめ
- サイズが確定している場合は、ネット購入で手間を軽減できる
- 専門的なアドバイスを求めるなら、福祉用具業者が最適
まとめ
高齢者向けの靴を選ぶ際は、履きやすさ・安全性・フィット感が大切です。足に合わない靴を履き続けると、転倒のリスクが高まり、歩くこと自体が負担になってしまいます。
一般的な靴ではなく、高齢者の足に合った靴を選ぶことが、自分の足で歩き続けるための第一歩です。少しでも長く自由に歩けるように、適切な靴を選んでいきましょう。